2010年9月に、アメリカのニューメキシコで、ネイティブアメリカンの儀式、ビジョンクエストに参加しました。約10日間、自然の中で過ごす、古くからネイティブの世界にある儀式です。儀式と言っても、そんなに堅苦しいものではなく、グランドキャニオンのような広大な大地で、一人でテントやシュラフで過ごす、食事も簡素ですが出るし、サバイバルな要素はほとんどありません。人生でこれほど静かに自分だけで過ごすことはまずないでしょう。とても贅沢で、貴重な体験でした。自分の人生を振り返る、いいも悪いもない、ただただ思い出す。それだけです。でも、そこは自然、何が起こるかは予想できないし、ただただ起こったことを受け取るしかないし、どんな意味があるかは、すぐにわからないくても良い、そんな感じで過ごしました。
ある日、夕方、自分の場所で、焚き火をしながら夕食を食べている時、崖の下から一頭のコヨーテが現れました。思わず、食事をやめ、目を合わせました。そんなに長い時間ではなかったと思う。コヨーテは、しょうがないな、お前がいるから先にいけないや、ここは通り道んだけど、という雰囲気を醸し出し、前足をなめ、しばらくそこに座っていました。そして、遠くに聞こえた仲間の遠吠えをきっかけに踵を返し、群れに戻って行きました。
コヨーテのメッセージは、ネイティブの長老に後で聞いたのですが、逆回転、物事をいったん先に進むのをやめて、元に帰る、そんな意味を持った動物だそうです。このビジョンクエストをきっかけに、それまでやっていた活動をいったん中止し、ビジネスの世界に戻ってくことになります。株式会社森への創業に関わったのも、このビジョンクエストの体験から始まっています。2016年にも参加していますが、それはまたの機会に出そうと思います。
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